イソザンショウ|石木花図鑑

夜に入りて
雨来るべしと
いふ夕べ
山椒の低き
若木揺れつつ

晩夏 - 宮 柊二

イソザンショウ

ユニークな枝ぶりが魅力的なイソザンショウ(磯山椒)。葉が香辛料として有名な「山椒」と似ていることから磯山椒と名付けられました。また、梅にも似た花を咲かせるのですが、その花があまりに美しく幻想的であることから“天の星に似た梅の花”と例えられました。その名残から和名では「天の梅(てんのうめ)」と呼ばれます。

日本の南西諸島や台湾など温暖な地域の海岸や隆起した珊瑚礁などに自生する樹木です。
イソザンショウの育て方

置き場所

日当たりと風通しのよい場所で育てます。常緑ですが水切れや強い日差しで根が傷むと落葉することがあります。

屋外の場合

柔らかな風や、優しい雨は植物を十分にリフレッシュさせてくれます。夏は日差しが強く乾きの原因となるので注意が必要です。

「春・秋」

日当たりのいい環境で育成しましょう。

「夏」

夏の直射日光でも耐えられますが、西日は強すぎますので避けましょう。蒸れるとあまりよくありませんので風通しの良い環境が理想です。

「冬」

寒さにはあまり強くありませんので、寒風や霜から保護しましょう。ムロや半屋内(寒い場所)などで管理することをオススメします。

屋内の場合

屋内で管理する場合、風通しの確保が重要になります。エアコンの風 が直接当たる場所は避けましょう。偏った乾燥状態になり、植物は傷んでしまいます。たまに外の空気に当てたり、雨に当てたりしてあげると植物はリフレッシュでき元気に育ちます。

「春・秋」

できるだけ日当たりのいい環境で育成しましょう。

「夏」

窓辺などで出来るだけ日当たりと風通しを確保しましょう。夏場は乾きやすくなるので、水切れにも注意が必要です。

「冬」

温暖な地域が原産です。0℃を下回らない環境で育成しましょう。

→植物の冬越しについて

水やり

丈夫な性質で空気の乾燥には耐えられますが、用土の乾燥は嫌います。水切れには注意しましょう。特に春~夏は乾きやすいのでたっぷりあげましょう。水やりの目安は、春秋は1日1回、夏は朝夕の1日2回、冬は2〜3日に1回です。

また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や健康維持に効果的です。朝や夕方に霧吹き等で与えるといいでしょう。どうしても乾きやすい時期や外出時には腰水という方法が有効です。

みずやりのタイミング

腰水について

肥料

真夏を除く4〜6月・9~10月は週に1回の頻度で液肥を与えます。 ※バイオゴールドヴィコント564を基準にしています。その他の肥料を与える場合は説明書などを参考にしてください。 ※置き肥の場合は4~5月、9~10月に月1回、固形肥料を与えます。

病害虫

病害虫に強い樹木ですが、空気の乾燥が続くとハダニなどがつくことがあります。乾きやすい時期は葉水をしておくと予防になります。また、新芽の時期はアブラムシにも注意。

→病害虫について

イソザンショウの詳しいお手入れ

イソザンショウ(磯山椒)に適した用土

一般には赤玉単用または、水はけを考慮して砂を混用したもの使用します。

【石木花の土】が適合します。

植え替え

根の成長が早いので約2年に1回を目安に植え替えます。適期は春ですが、植え替え後はあまり寒さに当てないように気遣いが必要です。

芽摘みと剪定

イソザンショウの新芽は強く伸びやすいので、枝を伸ばしたくない場合は1~2芽残して先を摘みます(芽摘み)。

若枝の伸びが強くツルのように枝が伸びてくるので、5月~6月頃に伸びた枝を短く切り詰めます。枝の内側から勢いよく伸びる徒長枝は必ず根元から切り落としましょう(剪定)。

とても丈夫な性質で、多少切り間違えてもまた芽吹いてくれますので怖がる必要はありません。そういった意味では初心者に優しい樹種と言えます。

イソザンショウ(磯山椒)育成のポイント

◯日当りのいい場所で育成します。

◯冬は屋内で管理して寒さから保護しましょう。

◯水切れに注意します。朝に水をやっても夕方乾いてしまうようなら置き場所を工夫し、できるだけ涼しいところで管理しましょう。

◯ある程度は肥料を好みますので、定期的に与えましょう。花付きが良くなります。

◯特に屋内管理の場合は日照や風通しの条件が悪くなりやすいため、活性剤を定期的に与えることでより健やかに育成できます。

肥料・活性剤

山椒によく似た形状の光沢ある葉。
4~5月、梅の花に似た幻想的な花を咲かせます。
花後に実を付けます。
秋には紫色に染まった実を鑑賞できます。
耐寒性
水やり
日光
肥料