2022/3/19/sat
雪深い山形も徐々に春めいてきました。まだ一面銀世界ではありますが、この頃は暖かな日向で養生している植物たちが動き始めます。厳寒の冬を耐えた春の植物たちの力にはすさまじいものがあり、木々が芽を膨らませる様子を見てると、その生命力を分けてもらえる様な気さえします。冬の間、溜めに溜めたエネルギーが抑えきれないかのように、一斉に芽吹くのです。この芽吹きを表した言葉に「萌芽」というものがありますが、これはまさに草木の新芽が萌え出でる様子のこと。その様子になぞらえて「新たな物事がはじまる兆し」の比喩としても用いられます。自然も、文化も、芸術も、あらゆるものごとが萌芽する時は、内に秘めていたエネルギーが爆ぜる時。それは強く人の心を惹き付けます。きっと、厳しい環境で耐え抜く時、ひたむきに力を溜める時というのは、植物にとっても人にとっても変わらず、必要な時なのでしょう。
