2024/02/29(thu)

石木花の最近のトピックスとしては、海外POPUPイベントが複数回にわたり開催されたり、HANDS be様や銀座蔦屋書店様でのPOPUPイベントが開催されたり、外向きの動きがとても多いのですが、実際の業務としては日々、粛々と植物達の植替えを行っているこの頃でもあります。植物には植え替え適期というものがありますが、困ったことに春は多くの植物の植え替え適期に当たるのです。時期を外したから枯れるというものではありませんが、出来れば最高の状態にしてあげたいのが親心(?)ですよね。石木花スタッフは今、とにかく植込みの日々なのです。鉢やPOTの中でぐるぐる巻きになった根を捌き、量を減らして植え直すことで、新たな発根が促され生育が良くなります。皆様もぜひ、トライしてみてくださいね。

2023/10/23 Sat

香港のストリートカルチャーフリークから絶大な支持を受けるセレクトショップ「432hz」と石木花とのコラボレーションイベントが開催されました。イベントの前日にはローンチパーティが開催され、香港の名だたるブランドの代表や著名人が集う熱い夜となりました。432hzブランドオーナーからの熱烈なリクエストから実現したこの異色のコラボレーションは多くの化学反応を生み出し、石木花にとって素晴らしい経験となったことは間違いありません。432hz銅鑼湾店には石木花から多くの石木花盆栽やアイテムが送られたものの、432hzに足を運ぶ顧客が買いを急ぐ状況となり、1週間の会期を待たずして完売。石木花は「小さな器に大きな自然」というブランドコンセプトのもと、自然との繋がりを意識する日本の美意識や文化を新たな形で継承しようと活動してきましたが、香港の人々もコンセプトに共感を示してくれただけでなく、想像以上の熱量で迎え入れてくれました。確かな手応えを得た印象的なイベントとなりました。

2023/9/8Fri

今年の夏はとてもとても暑く、いつまでも夏が続いている気がします。外仕事の多い私たちですが、さすがに39℃の猛暑で日中の屋外作業はできず、朝晩は外仕事、日中は屋内のクーラー付きの部屋に避難しての作業となりました。ところで猛暑の中での植物達はというと、元気いっぱい成長してくれたものもありますが、一部は葉が日焼けしてしまったり、生育不良になってしまったりというものが出てしまいました。それだけ今年の夏は暑かったのでしょう。県外の産地の生産者さんからも暑さで葉や実が焼けたという声を聞きました。でも、私達が育てている木々達は猛暑の影響で枯れてしまったものはほとんどなく、よく頑張ってくれたと思います。植物の生命力はすごいですね。秋は気候も穏やかになり、また植物達も活気付いてきます。すずしくなったら、夏を乗り越えてくれたお礼に肥料をあげるというのは毎年恒例。秋の肥料はよく効きます。みなさまもお礼の肥料、あげてくださいね。春の芽吹きや花付きがとても良くなりますよ。

2023/4/14 fri

春の訪れというのは急ぎ足でやってくるもので、日に日に植物達の芽吹きも進んできました。皆様のお手元の鉢はどんな様子でしょうか?春は良く日光にあててあげると美しい芽吹きを得られるのですが、一方で寒さや霜の被害には注意が必要です。気温が5℃を下回る時期にムロ出ししてしまうと、寒さや霜に当たって具合が悪くなる可能性がありますから、天気予報を見て気温が下がる時には室内や軒下に保護しましょう。さて、石木花は1月の銀座蔦屋書店POPUPから始まり、群言堂室町店でのフェア、長野のLoops様のフェア、そして渋谷PARCOでのPOPUP、現在開催中の伊勢丹新宿POPUP、東北スタンダードマーケット/カネイリストアでのフェアなど、駆け足でイベントが続いています。来月の情報もSNSなどで随時お知らせいたしますので、お楽しみに。そして、母の日ギフトに人気の山紫陽花も先日リリースされました。花期が5~6月なのでちょうどいい時期に美しい花をお楽しみいただけます。石木花メンバーはコチラの準備でもてんやわんや。「今が頑張り時!」です。

2023/3/30 fri

私たち石木花の拠点は山形の中でも比較的雪深いエリアにあります。冬の苦労は多いのですが、この気候ならではの良さというのも色々あります。その一つには雪解けと共に飛来する白鳥たちの姿を間近に見れることも含まれます(個人的に)。彼らは雪解けの田んぼで落穂を一心不乱に食べます。その姿がなんとも可愛いのですが、白いものは汚れが目立つという悲しき宿命。誰よりも一生懸命食べている子は、顔色ですぐにわかりますよね。よく見ると顔が黒い子は体長も大きいのでベテランなのかもしれません。「顔が白いうちはまだまだ」的な感じでしょうか。白鳥が飛来すると私達は仕事の時間ずっと彼らの鳴き声を聞くことになりますが、それが不思議とうるさいとは感じません。むしろ心地良い癒しのBGM。やがて彼らは雪解けが進んだ北へと移動するために去っていきます。そして面白いことに、白鳥が飛来する頃から「白鳥花」の花の蕾は膨らみ始めるのです。

2023/1/15 sun

暮らしの中で自然を感じ、小さな変化を愛でる。日本の伝統文化である盆栽は、忙しい現代に生きる私たちに、本質的な豊かさとは何かであったり、より良く生きるために大切なことであったりを教えてくれる気がします。日々の癒やしはもちろんですが、生き物と向き合う難しさや楽しさ、少し姿勢を正すことで得られるほど良い緊張感やゆとり、小さな変化に気づける心、など。時に枯れてしまう悲しさも、手塩にかけた木々が花咲く喜びも、きっと同じくかけがえのない心の動きではないでしょうか。四季折々、自然の機微を感じる心や「侘び寂」に代表されるような美意識は、私たちが本来持っている日本伝統のこころ。それらをを忘れないよう生きたいものです。とは言え、現代の生活様式は大きく変化しています。石木花はこの素晴らしい伝統文化を現代の暮らしにフィットさせることで、本質的な価値を磨きつつ、よりフランクに、より多くの皆様にこの文化を楽しんでほしいと願っています。心静かに植物と向き合う時間は、自分の心が磨かれる時間でもあると思うのです。

2023/1/3 thu

新年あけましておめでとうございます。2022年、私たち石木花に関わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。昨年をざっと振り返ると書ききれないほど様々な出来事がありましたが、ひとつ挙げるのならリアルイベントでお客様と直接お話する機会を増やせたことはとても良かったなと思います。1月のHONDA本社ビルでのイベントから始まり、渋谷パルコPOPUP、東急プラザ渋谷でのイベント、おなじみ東北スタンダードマーケット様でのWS等々、皆様からの温かいお言葉は何よりの励みになりました。今年もそうした機会を作っていきます。そして、私たち石木花は今年で20周年を迎えることが出来ました。これもひとえにお客様、お取引先様、石木花スタッフの皆のおかげです。タイミングはまだお伝え出来ませんが20周年を記念した何かを実施予定ですので、そちらも楽しみにしていただければ幸いです。石木花は今年も自然を愛し、守るべきものは守り、時に革新し、皆様に自然の素晴らしさや盆栽の楽しさをお伝えできるよう精進してまいります。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

2022/10/5/wed

とても暑い日が多かった印象の9月。どうなることかと思っていましたが、10月に入った途端に気温がぐんと下がりましたね。皆様くれぐれも体調にお気を付けください。石木花の園内の植物達はというと、風邪を引くわけでもなく気温の変化で美しい秋色に色づき始めました。例年、いち早くまっ赤に色づくシロシタンの実。それを追って色づき始めるカマツカコケモモやトキワサンザシの実も、ここ数日でふんわり赤みがかってきました。落葉樹たちの葉も赤や黄に染まり始めて、園内が色鮮やかな景色になりつつあります。そうした紅葉のメカニズムは、気温低下を植物が察知して落葉の準備を始めることで、葉に含まれる糖分と酵素の働きに変化が生じ、色素が生成されます。(詳細は割愛いたしますが)つまり、気温の変化を植物が感じてはじめて美しく色づきます。お手元の植物達もぜひ、外気に当てて育成してみてくださいね。秋ならではの紅葉や実の色付きを身近に堪能できるのも盆栽の醍醐味。楽しみましょう。

2022/08/31/wed

石木花の拠点は、通称“かめのこ山”と呼ばれる山の麓にあります。雄大な山ではありませんが、人との距離が近い里山。アカマツやコナラなどの雑木を中心とした植生の小さな山です。見た感じは、なんの変哲もなさそうですが、古くは旧石器時代から中世にかけての遺跡が数多く残る複合遺跡であり、今も数多くの石器や土器たちが静かに眠っています。この「かめのこ山」という名前は通称で、遠くから見ると亀が寝そべっているいるように見えることが由来。画像からは全くイメージが掴めそうにないので、いつか「カメ感」のある画を撮りたいと思います。ちなみに正式名称は河島山ですが、幼少期から慣れ親しみがあるので、個人的には「かめのこ山」という名称が好き。なので今後もそちらを推していくことでしょう。

2022/7/11/mon

いよいよ夏本番という気候になってきました。燦々と降り注ぐ日差しは、植物達をより逞しく成長させてくれます。しかし、暑さによって鉢植えの植物が乾燥してしまう事が良くあります。鉢の中の水分が完全に無くなってしまえば水枯れしてしまいますので、乾きすぎには十分注意が必要なタイミング。乾き具合をよく見て日当りの調整や水やり頻度の調整をしてあげましょう。日差しは植物を丈夫にしますが、カンカン照りの日差しは小さな鉢植えには強すぎます。そんな時はよしずなどを用いて柔らかな光が入る「日陰」を作ってあげるのがオススメです。よしずを用いるとまるで森の木陰の様な日当たりを再現できますので、ぜひお試しください。ちなみに暑い季節こそ、植物の涼やかな姿を楽しむにはうってつけ。目の前に植物をもってきて鑑賞しつつ、冷たい飲み物を片手にゆっくりした時間を過ごせば、癒し効果抜群のチルタイム。

2022/5/5/thu

季節が進むのは早いもので、気が付けば5月に突入してしまいました。つれづれ日記をもう少し頻度良く更新しなければ、、、。と反省しつつ、久方ぶりの日記を綴ります。植物と共に仕事をしている私たちにとって、春は大忙し。植替え、施肥、剪定、潅水、そして棚場作りと作業は目白押し。特に棚場づくりはハードな作業で、春に単管で棚場を組み、冬は豪雪対策で全てバラして仕舞います。植物達もまた同じように、冬は施設にしまい、春は屋外に展開します。まるで深呼吸するように行われる10万鉢の大移動。その傍らでは、成長して鉢が窮屈になった木々が「早く植え替えしてちょうだい!」という顔で静かに訴えかけてくるわけです。しかし、ふと我に返れば忙しいのは人の心だけであって、自然のリズムは穏やかなもの。美しい木々の芽吹きや、発芽の様子に癒されつつ、心を整え、日々邁進しています。

2022/4/3/sun

田んぼに残っていた雪もここ数日の間に消えました。こうなると、タイミングを見計らっていたかのように次々と白鳥たちが飛来します。秋の収穫時に残った落穂を食べにやってくるのです。仕事中も近くの田で鳴く白鳥の声が聞こえ、しばらくの間は賑やかな日々が続きそうです。白鳥の美しい姿は毎年見惚れるものがありますが、古来より白鳥の主要飛来地である東北では“白鳥信仰”が広く伝わり、現在でも白鳥神社などが数多く残っています。たしかに、純白の白鳥はいかにも霊鳥という趣を感じられる気がします。そして、白鳥と言えば石木花の木々の中でも人気の「白鳥花」があります。この木は花が純白で白鳥の様であることが名前の由来。白鳥の飛来に合わせたかのように、この木も開花の時期を迎えています。

2022/3/19/sat

雪深い山形も徐々に春めいてきました。まだ一面銀世界ではありますが、この頃は暖かな日向で養生している植物たちが動き始めます。厳寒の冬を耐えた春の植物たちの力にはすさまじいものがあり、木々が芽を膨らませる様子を見てると、その生命力を分けてもらえる様な気さえします。冬の間、溜めに溜めたエネルギーが抑えきれないかのように、一斉に芽吹くのです。この芽吹きを表した言葉に「萌芽」というものがありますが、これはまさに草木の新芽が萌え出でる様子のこと。その様子になぞらえて「新たな物事がはじまる兆し」の比喩としても用いられます。自然も、文化も、芸術も、あらゆるものごとが萌芽する時は、内に秘めていたエネルギーが爆ぜる時。それは強く人の心を惹き付けます。きっと、厳しい環境で耐え抜く時、ひたむきに力を溜める時というのは、植物にとっても人にとっても変わらず、必要な時なのでしょう。

2022/2/7/mon

「石木花は盆栽なんですか?」そう質問されると、フラットな価値観から生まれる疑問なのだろうなと感じ、嬉しく思います。−しかし、その答えはYESでもあり、NOでもある。という曖昧な回答で、質問者はきっとモヤモヤすることでしょう−。私たちの価値基準の中で「盆栽」は重要な意義を持ちますが、それはあくまで一部であり、「自然」「文化」「伝統」へのリスペクトが石木花のあらゆる活動のベースにあります。そして実はひっそりと、意外な活動を行っていたり、遠い未来への仕込みを行っていたりもします。これまで石木花の価値観を語る機会はあまりなく、一つ一つの作品の周囲に漂う世界観から察していただくことが多かったのですが、公式Webのリニューアルに伴い、この「つれづれ日記」にて石木花の歩みや背景をお伝えしていければと思います。とは言え、基本的には日常の風景や植物たちの一瞬のきらめきを捉え、徒然なるままに書き綴ってみようと思いますので、ふと気の向いた時に、気軽にお立ち寄りいただけますと幸いです。