|つれづれ日記

2022/5/5/thu

季節が進むのは早いもので、気が付けば5月に突入してしまいました。つれづれ日記をもう少し頻度良く更新しなければ、、、。と反省しつつ、久方ぶりの日記を綴ります。植物と共に仕事をしている私たちにとって、春は大忙し。植替え、施肥、剪定、潅水、そして棚場作りと作業は目白押し。特に棚場づくりはハードな作業で、春に単管で棚場を組み、冬は豪雪対策で全てバラして仕舞います。植物達もまた同じように、冬は施設にしまい、春は屋外に展開します。まるで深呼吸するように行われる10万鉢の大移動。その傍らでは、成長して鉢が窮屈になった木々が「早く植え替えしてちょうだい!」という顔で静かに訴えかけてくるわけです。しかし、ふと我に返れば忙しいのは人の心だけであって、自然のリズムは穏やかなもの。美しい木々の芽吹きや、発芽の様子に癒されつつ、心を整え、日々邁進しています。

2022/4/3/sun

田んぼに残っていた雪もここ数日の間に消えました。こうなると、タイミングを見計らっていたかのように次々と白鳥たちが飛来します。秋の収穫時に残った落穂を食べにやってくるのです。仕事中も近くの田で鳴く白鳥の声が聞こえ、しばらくの間は賑やかな日々が続きそうです。白鳥の美しい姿は毎年見惚れるものがありますが、古来より白鳥の主要飛来地である東北では“白鳥信仰”が広く伝わり、現在でも白鳥神社などが数多く残っています。たしかに、純白の白鳥はいかにも霊鳥という趣を感じられる気がします。そして、白鳥と言えば石木花の木々の中でも人気の「白鳥花」があります。この木は花が純白で白鳥の様であることが名前の由来。白鳥の飛来に合わせたかのように、この木も開花の時期を迎えています。

2022/3/19/sat

雪深い山形も徐々に春めいてきました。まだ一面銀世界ではありますが、この頃は暖かな日向で養生している植物たちが動き始めます。厳寒の冬を耐えた春の植物たちの力にはすさまじいものがあり、木々が芽を膨らませる様子を見てると、その生命力を分けてもらえる様な気さえします。冬の間、溜めに溜めたエネルギーが抑えきれないかのように、一斉に芽吹くのです。この芽吹きを表した言葉に「萌芽」というものがありますが、これはまさに草木の新芽が萌え出でる様子のこと。その様子になぞらえて「新たな物事がはじまる兆し」の比喩としても用いられます。自然も、文化も、芸術も、あらゆるものごとが萌芽する時は、内に秘めていたエネルギーが爆ぜる時。それは強く人の心を惹き付けます。きっと、厳しい環境で耐え抜く時、ひたむきに力を溜める時というのは、植物にとっても人にとっても変わらず、必要な時なのでしょう。

2022/2/7/mon

「石木花は盆栽なんですか?」そう質問されると、フラットな価値観から生まれる疑問なのだろうなと感じ、嬉しく思います。−しかし、その答えはYESでもあり、NOでもある。という曖昧な回答で、質問者はきっとモヤモヤすることでしょう−。私たちの価値基準の中で「盆栽」は重要な意義を持ちますが、それはあくまで一部であり、「自然」「文化」「伝統」へのリスペクトが石木花のあらゆる活動のベースにあります。そして実はひっそりと、意外な活動を行っていたり、遠い未来への仕込みを行っていたりもします。これまで石木花の価値観を語る機会はあまりなく、一つ一つの作品の周囲に漂う世界観から察していただくことが多かったのですが、公式Webのリニューアルに伴い、この「つれづれ日記」にて石木花の歩みや背景をお伝えしていければと思います。とは言え、基本的には日常の風景や植物たちの一瞬のきらめきを捉え、徒然なるままに書き綴ってみようと思いますので、ふと気の向いた時に、気軽にお立ち寄りいただけますと幸いです。