Q&A|日々の育て方

Q&A

腰水とは何?

鉢物の育て方でよく登場する腰水という言葉。これは水やり方法の一つです。植物を育てるうえで必ず必要となり、最も大切と言える水やり。盆栽の世界では「水やり三年」という言葉があるほど実は奥が深い作業でもあります。
しかし、腰水は水やりの手間を緩和してくれるテクニックです。それでは解説してきます。

腰水での水やり方法

◯まずは容器を用意します。ボウルでもいいですが、複数の鉢をまとめて水やりするためには平たいバットのような容器が使いやすいでしょう。
※水やりに使う容器は洗剤や石鹸が付かないよう、専用のものを使ってください。
◯容器に鉢を置いて(並べて)鉢の1/3くらいまで水を張り、そのままにしておきます。しばらくすると鉢底からゆっくりと水を吸い上げ、鉢内に水分が万遍なく行きわたります。これを「腰水」といいます。
〇数日外出する時の一時的なものであれば特に問題はないですが、暑い時期など、ある程度の長い期間を腰水管理する場合はこまめに水を入れ替えて、水が悪くならないように注意しましょう。

腰水のメリット

◯外出時に役立つ
数日間外出する場合、この方法を用いれば水切れになるリスクを防ぐことができます。しかし季節によっても植物が欲する水の量は異なりますので注意が必要です。目安として春と秋は3・4日、夏は2・3日、冬は1週間くらいが限度です。これも木の種類や環境によるので、あくまで目安となります。
〇乾燥防止に役立つ
成長期や、気温が高い時はどうしても1日2回の水やりが必要になる場合があります。しかし忙しくなかなか対応できないという時は腰水でしのぐことができます。
〇暑さ対策になる
暑い時期は空中湿度も低下し、植物が傷みやすい環境になってしまいます。そうした時、広めのトレーなどに水を張って腰水管理していれば適度に水が蒸発して空中湿度も上がりますし、水切れによって枯らしてしまうことも無くなるでしょう。

とは言え、必ずしもメリットばかりではありませんので腰水管理のデメリットをよく理解しておく必要があります。

腰水のデメリット

〇多用すると根腐れの原因となる。
植物の水やりの基本は、乾いたらたっぷり与えることです。用土がある程度乾燥するというのは木の健康にとって大切な事です。しかし常時腰水で育てていると用土は常に過湿気味で根は呼吸できなくなり、結果として根腐れに陥ってしまいます。

使い方に気を付ければ有効なテクニックです。

上記のようにメリットとデメリットがある腰水ですが、特に乾燥しやすい時や外出時には覚えておきたい方法です。ポイントを押さえて利用して、植物を健やかに育成しましょう。