ゴヨウマツ|石木花図鑑

降り積もる
深雪に耐えて
色変えぬ
松ぞ雄々しき
人もかくあれ

昭和天皇

ゴヨウマツ

日本固有種である五葉松(ゴヨウマツ)。葉が五枚で一対となっていることが名前の由来です。成長が遅いため実生で育てると長い時間が必要な事や、個体数が減少し自生地一帯が保護区となっている事などから生産数や流通量が減少している樹木です。銀緑色の葉が美しく、幹の古色も味わい深いことから盆栽としても高い人気を誇ります。世界一の銘品と言われる「日暮らし」も五葉松の盆栽です。
成長が穏やかなので樹形を崩しにくく、強健な性質で、実はとても育てやすい樹木です。松盆栽入門として初心者の方にもおススメです。
ゴヨウマツの育て方

置き場所

日当たりと風通しのよい場所で育てます。

屋外の場合

基本的に屋外管理推奨です。柔らかな風や、優しい雨は植物を十分にリフレッシュさせてくれます。夏は日差しが強く乾きの原因となるので注意が必要です。

「春・秋」

日当たりのいい環境で育成しましょう。特に春先は新芽が芽吹く大切な時期です。よく日光と風に当てることで元気で丈夫な葉になります。気温が高い時は半日陰や明るい日陰に移動しましょう。

「夏場」

基本的に明るい日陰で育てます。よしずなどを用いて涼しい環境を整えてあげるのも良いでしょう。また、日陰で腰水で育てる方法も有効です。※腰水は夏限定として常用しないようにします。

「冬場」

基本的には寒い場所で冬を体験させてあげましょう。屋外環境でも問題ありませんが、寒風や霜から保護しましょう。ムロや半屋内(寒い場所)などで管理することをオススメします。

屋内の場合

屋内で管理する場合、風通しの確保が重要になります。エアコンの風 が直接当たる場所は避けましょう。偏った乾燥状態になり、植物は傷んでしまいます。たまに外の空気に当てたり、雨に当てたりしてあげると植物はリフレッシュでき元気に育ちます。

「春・秋」

出来るだけ風通しよく、日当たりのいい環境で育成しましょう。

「夏」

夏は暑さで蒸れやすくなるので出来るだけ涼しい環境で育成し、水切れに注意しましょう。日陰で腰水で育成する方法もあります。

「冬」

できるだけ寒い環境で育成しましょう。冬を体験することは非常に大切です。最低でも5℃以下になるような環境で管理しましょう。

→植物の冬越しについて

水やり

「乾いてきたらたっぷり水を与える」ことが基本です。水やりの目安は、春秋は1日1回、夏は朝夕の1日2回、冬は2〜3日に1回です。環境や状態によって乾き方は異なりますのでよく観察して加減しましょう。

また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や健康維持に効果的です。朝や夕方に霧吹き等で与えるといいでしょう。どうしても乾きやすい時期や外出時には腰水という方法が有効です。

みずやりのタイミング

腰水について

肥料

4〜6月・9~10月の成長期に月2回ほど液肥を与えましょう ※バイオゴールドヴィコント564を基準にしています。その他の肥料を与える場合は説明書などを参考にしてください。 ※置き肥の場合は4~5月、9~10月に月1回、固形肥料(油かすや骨粉等)を与えます。

病害虫

病害虫にとても強い樹木ですが、空気の乾燥が続くとハダニなどがつくことがあります。乾きやすい時期は葉水をしておくと予防になります。

→病害虫について

ゴヨウマツの詳しいお手入れ

樹形を維持する方法

[芽つみ]

枝の長さ調節をするために、春から伸びだした新芽を摘んでいく「芽つみ」という作業を行います。成長期の4月中旬~6月上旬頃は芽がよく伸びるので、指やピンセットで摘み取ります。樹勢の強い部分は深めに摘むのがポイント。逆に弱い部分は摘まないで残すようにしましょう。目安として芽が1cm以内であれば芽つみの必要はありません。

※環境や樹勢によっては芽がそれほど伸びないこともあります。その場合、芽つみは必要ありません。あくまで芽が勢い良く伸びてきた場合に行うと考えておきましょう。

[古葉取り]

7月~8月頃に、前年や前々年につけた古い葉を取り除いてすっきりさせてあげましょう。古葉取りを行うことで風通しや日照が改善され健やかに育ちます。また、芽つみと同様に樹形を維持する役割もありますので樹勢の強い部分はしっかり行い、極端に弱いところは取らずに残しておきます。

※古葉の見分け方:葉の元の方にあるのが古葉です。新しい葉に比べて色が薄かったり黄色っぽくなっているので容易に見分けがつきます。

ゴヨウマツ(五葉松)に適した用土

一般には鹿沼土に赤玉土を混ぜたものを使用しますが、やや鹿沼を多めにしておくといいでしょう。

植え替え

3月下旬~4月中旬か、9月下旬~10月上旬が植え付け適期です。約2~3年に1回を目安に植え替えます。植え替え後はあまり暑くなったり乾燥したりしないように注意が必要です。また、小さい木は根を切り詰めないで鉢増し(サイズアップ)した方がいいでしょう。

ゴヨウマツ(五葉松)育成のポイント

〇日当たりの良い場所で育てましょう。

◯夏の水切れに注意します。朝に水をやっても夕方乾いてしまうようなら置き場所を工夫し、できるだけ涼しいところで管理しましょう

〇7月以降、古葉(昨年までの葉。黄色や茶色になる)取りを行い、すっきりさせてあげましょう。

〇しっかり冬を体験させましょう。

〇施肥をしっかり行うとより強く健康的に育ちます。

◯特に屋内管理の場合は日照や風通しの条件が悪くなりやすいため、活性剤を定期的に与えることでより健やかに育成できます。

肥料・活性剤

枝先に短めの針状の葉が5本ずつ、束のようにつきます。
丸く赤みを帯びた花がつきますが、あまり目立たず鑑賞には向きません。
ちいさな松ぼっくりをつけます。
耐寒性
水やり
日光
肥料