エゾマツ|石木花図鑑

岩の上の
エゾマツの林
房たれて
成れる 実は花かと
足とどめしむ

土屋文明

エゾマツ

エゾマツは漢字で蝦夷松と書きます。その名前からも想像できますが、日本では北海道に数多く自生する針葉樹であり、世界的に見るとシベリア東部、カムチャッカや中国北部などに分布しています。 北海道はまさにエゾマツの楽園というほどの森林占有率で、アイヌの伝説にも数多くエゾマツが登場します。
細かく密に揃った葉や、古木を思わせる様な味わいある幹肌が魅力的なエゾマツは精悍な印象ですが、春には鮮やかなライムグリーンの新芽が芽吹き、可愛らしい姿を見せてくれます。
エゾマツの育て方

置き場所

夏以外は日当たりと風通しのよい場所で育てます。寒さには強いのですが、暑さは少し苦手です。夏は風通しの良い半日陰か明るい日陰で管理します。

屋外の場合

基本的に屋外管理推奨です。柔らかな風や、優しい雨は植物を十分にリフレッシュさせてくれます。夏は日差しが強く乾きの原因となるので注意が必要です。

「春・秋」

日当たりのいい環境で育成しましょう。特に春先は新芽が芽吹く大切な時期です。よく日光と風に当てることで元気で丈夫な葉になります。気温が高い時は半日陰や明るい日陰に移動しましょう。

「夏場」

基本的に明るい日陰で育てます。よしずなどを用いて涼しい環境を整えてあげるのも良いでしょう。また、日陰で腰水で育てる方法も有効です。※腰水は夏限定として常用しないようにします。

「冬場」

寒さには強い樹木です。基本的には寒い場所で冬を体験させてあげましょう。屋外環境でも問題ありませんが、寒風や霜から保護しましょう。ムロや半屋内(寒い場所)などで管理することをオススメします。

屋内の場合

屋内で管理する場合、風通しの確保が重要になります。エアコンの風 が直接当たる場所は避けましょう。偏った乾燥状態になり、植物は傷んでしまいます。たまに外の空気に当てたり、雨に当てたりしてあげると植物はリフレッシュでき元気に育ちます。

「春・秋」

出来るだけ風通しよく、日当たりのいい環境で育成しましょう。

「夏」

夏は暑さで蒸れやすくなるので出来るだけ涼しい環境で育成し、水切れに注意しましょう。日陰で腰水で育成する方法もあります。

「冬」

できるだけ寒い環境で育成しましょう。冬を体験することは非常に大切です。最低でも5℃以下になるような環境で管理しましょう。

→植物の冬越しについて

水やり

水を好み、乾燥がやや苦手。用土の乾燥を嫌いますので水切れには注意しましょう。特に春~夏は乾きやすいのでたっぷりあげましょう。水やりの目安は、春秋は1日1回、夏は朝夕の1日2回、冬は2〜3日に1回です。

また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や健康維持に効果的です。朝や夕方に霧吹き等で与えるといいでしょう。どうしても乾きやすい時期や外出時には腰水という方法が有効です。

みずやりのタイミング

腰水について

肥料

4〜10月は2週に1回の頻度で液肥を与えます。 ※バイオゴールドヴィコント564を基準にしています。その他の肥料を与える場合は説明書などを参考にしてください。 ※置き肥の場合は4~5月、9~10月に月1回、固形肥料(油かすや骨粉等)を与えます。

病害虫

病害虫にとても強い樹木ですが、空気の乾燥が続くとハダニなどがつくことがあります。乾きやすい時期は葉水をしておくと予防になります。

→病害虫について

木々の小話

倒木更新

倒木更新(とうぼくこうしん)は、寿命や天災、伐採などによって倒れた古木を礎にして、新たな世代の木が育つこと。

山中を歩いていると、倒れた木の上にエゾマツなどの木が一列に規則正しく並んで生えていることがあります。不規則的な森の中で、ひときわ印象に残るそれは「倒木更新」といって、倒れた木の上に落ちた種子が発芽し、そのまま生長したことで生じる現象です。
エゾマツの種子は土の上に落ちても土の中の菌に感染して枯死することが多いのですが、倒木の上には比較的雑菌が少ないため順調に大きくなる確率が高いのです。

また、倒れて朽ちた木は栄養豊富。古木を栄養として次の世代の木々が育つ自然のサイクルは、悠久の時の中でたゆみなく続き、豊かな森を形成してゆきます。

エゾマツの詳しいお手入れ

エゾマツ(蝦夷松)に適した用土

一般には鹿沼土に赤玉土を混ぜたものを使用しますが、やや鹿沼を多めにしておくといいでしょう。

植え替え

3月下旬~4月中旬か、9月下旬~10月上旬が植え付け適期です。約2~3年に1回を目安に植え替えます。植え替え後はあまり暑くなったり乾燥したりしないように注意が必要です。また、小さい木は根を切り詰めないで鉢増し(サイズアップ)した方がいいでしょう。

エゾマツ(蝦夷松)育成のポイント

◯乾きやすい場合は1cm程度の腰水にします。腰水は、深水にしないようにしましょう。夏は水温が上がるので、毎日水を入れ替えます。

◯湿原に生える植物のため乾燥に弱く、根が乾くと枯死することもあります。冬の休眠期であてtも、水切れさせないよう注意します。

◯基本的に日当りのいい場所で育成します。

◯水切れに注意します。朝に水をやっても夕方乾いてしまうようなら置き場所を工夫し、できるだけ涼しいところで管理しましょう。

◯肥料は定期的に与えましょう。花付き・生育が良くなります。

◯特に屋内管理の場合は日照や風通しの条件が悪くなりやすいため、活性剤を定期的に与えることでより健やかに育成できます。

肥料・活性剤

やわらかく短い針状の葉がまとまっています。
花弁のない、黄色い円柱状の花をつけます。
赤い楕円形の実をつけますが
実つきはあまりよくありません。
耐寒性
水やり
日光
肥料