斑入りチリメンカズラ|石木花図鑑

み山には
あられ降るらし
と山なる
まさきのかづら
色づきにけり

古今集 第二十・1077番歌

斑入りチリメンカズラ

カカズラ(定家葛)の矮性種です。白い斑入りで、独特の縮れ具合の葉が特徴です。秋には美しく紅葉し、青と赤のコントラストが楽しめます。

とても丈夫で作りこみやすいことや、松・実物・花物とは一線を画す個性的な佇まいから、比較的近年の小品盆栽において人気が高まっている樹木です。
斑入りチリメンカズラの育て方

置き場所

半日陰でも元気に育ちます。

屋外の場合

柔らかな風や、優しい雨は植物を十分にリフレッシュさせてくれます。夏は日差しが強く乾燥の原因となるので注意が必要です。

「夏場」

日陰でも問題なく生育可能です。夏の強い直射日光は葉が傷んだり、枯れたりする原因となるので避けましょう。日陰になる場所に移動するか、すだれや遮光ネットで直射日光を遮るなど工夫が必要です。

「冬場」
寒さにはあまり強くありませんので、寒風や霜から保護しましょう。ムロや半屋内(寒い場所)などで管理することをオススメします。

屋内の場合

屋内で管理する場合、風通しの確保が重要になります。エアコンの風 が直接当たる場所や、直射日光が長時間当たるなど極度に気温の上がる場所は避けてください。たまに外の空気に当てたり、雨に当てたりしてあげると植物はリフレッシュできて元気に育ちます

「夏場」
優しい日当たりで風通しのよい場所で管理します。窓辺に置く場合には、レースのカーテンなどで直射日光をやわらげてあげると良いでしょう。夏場は乾きやすくなるので、水枯れにも注意が必要です。

「冬場」

暖房の効いていない場所など寒いところで管理すると、気温の変化で紅葉が促されます。また、低温を体験すると春の芽吹きや花付きがよくなります。

水やり

乾燥は嫌いますので、水切れに注意。特に春~夏はたっぷりあげましょう。水やりの目安は、春秋は1日1回、夏は朝夕の1日2回、冬は2〜3日に1回です。また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や健康維持に効果的です。朝や夕方に霧吹き等で与えるといいでしょう。

みずやりのタイミング

肥料

真夏を除く4〜10月は1~2週に1回の頻度で液肥を与えます。 ※バイオゴールドヴィコント564を基準にしています。その他の肥料を与える場合は説明書などを参考にしてください。 ※置き肥の場合は真夏と梅雨を除く4~10月の期間に月1回、固形肥料を与えます。

病害虫

病害虫にとても強い樹木です。

→病害虫について

斑入りチリメンカズラ(斑入縮緬葛)の仲間

チリメンカズラ(縮緬葛)、テイカカズラ(定家葛)、ヒカゲカズラ(日陰葛)、初雪カズラなど。

斑入りチリメンカズラの詳しいお手入れ

斑入りチリメンカズラ(縮緬葛)に適した用土

一般には赤玉単用または、水はけを考慮して砂を混用したもの使用します。

植え替え

若木は2~3年に1回、植え替えます。鉢土が盛り上がったり、枝から気根(根っこ)が出るようだと根が鉢内で充実しているサインです。適期は春先ですが、植え替え後はあまり寒さに当てないように気遣いが必要です。

樹形を維持する方法

剪定

つる性で枝が伸びやすいので、こまめに剪定します。特に、枝の内側から勢いよく伸びる徒長枝は必ず根元から切り落としましょう。放っておくとどんどん伸びてしまいます。とても丈夫な性質で、多少切り間違えてもまた芽吹いてくれますので怖がる必要はありません。そういった意味では初心者に優しい樹種と言えます。

育成のポイント

◯植物に四季を体感させてあげることで末永く健康的に育成できます。

◯夏の水切れに注意します。朝に水をやっても夕方乾いてしまうようなら置き場所を工夫し、できるだけ涼しいところで管理しましょう。どうしても乾いてしまう場合は腰水でしのぎます。※腰水の常用はNGです。あくまで暑い期間限定にしましょう。

腰水とは?

◯古い葉は紅葉したあと落葉しますが、長年育成すると枝ぶりが充実して枝先の葉が密集してきます。そうなった場合は一部の枝を剪定で抜いてあげたり、枝元の葉を透いて風通しを良くしてあげましょう。

◯肥料を好みますので、定期的に与えましょう。

◯特に屋内管理の場合は日照や風通しの条件が悪くなりやすいため、活性剤を定期的に与えることでより健やかに育成できます。

肥料・活性剤

光沢があり、縁に鋸歯はありません。うねりがあるのはチリメンカズラの特徴です。また、葉に白い斑が入ります。
冬も葉を落としませんが、一部の古葉は紅葉してやがて落葉します。紅葉と常緑の葉のグラデーションはとても美しい姿です。
5〜6月頃に咲かせますが、花付きはあまりよくありません。
弓形の実をつけますが、結実しにくい様です。
耐寒性
水やり
日光
肥料