山ブドウ|石木花図鑑

山葡萄の
黒く沁みとほる
実を食みて
ひとのあはれに
遠そくがごと

暁紅 - 斎藤茂吉

山ブドウ

日本の山地に自生する山葡萄(やまぶどう)。原種は日本固有種で、雌雄異株ですので2本の木がそろわないと結実しません(石木花で扱う山葡萄は実がつきやすい種で1本の木で結実するものです)。5~6月頃に花を咲かせて実をつけます。はじめは緑色の実が徐々に熟し、紫色に染まる変化が楽しい木です。
実は完熟すると食用になり、昔懐かしい酸味のある味わい。うまく実が付いたらぜひ味わってみてくださいね。
山ブドウの育て方

置き場所

屋外の場合

花つきをよくするためには日当たりのよい場所で育成しましょう。日当たりが悪いと花つきが悪くなり、鑑賞できる実の数も減ってしまいます。特に新芽が伸び始める春先から梅雨頃まではしっかり日に当てることが大切なポイントです。

「春・秋」

風通し、日当たりのいい環境で育成します。

「夏」

風通しのよい明るい半日陰で管理しますが、強い直射日光や西日は葉焼けや急激な水切れの原因になるので避けましょう。よしずや遮光ネットなどを用いて日陰をつくるのもオススメです。

「冬」

自然界と同様に、しっかり冬を体験させる必要があります。屋外管理で問題ありませんが、寒風や霜からは保護しましょう。ムロや半屋内(寒い場所)などで管理することをオススメします。なお、落葉後は日光に当たらなくても特に問題ありません。

 

屋内の場合

屋内で管理する場合、風通しの確保が重要になります。常時屋内では弱ってしまいますので、外の空気に当てたり、雨に当てたりしてあげると植物はリフレッシュできて元気に育ちます。また、できるだけ日当りの良い環境で育成しましょう。

エアコンの風邪 が直接当たる場所や、閉め切った部屋で直射日光が長時間当たるなど、極度に気温の上がる場所は避けましょう。基本的に鑑賞するとき以外は屋外推奨です。

「春・秋」

日当たりと風通しのいい窓辺などで鑑賞しますが、できるだけ屋外の時間を設けましょう。

「夏場」

日当りと、風通しのよい場所で管理します。特に、しめきった部屋では蒸れて痛んでしまう可能性がありますので、できるだけ風を通してあげると植物に優しい環境になります。

「冬場」

5℃以下の環境で冬を体験させる必要があります。11月~2月の間は屋外に近い環境で育成しましょう。山葡萄は落葉樹なので、寒さを体験すると紅葉し、そのあと葉を落とします。落葉後は日光が当たらない環境でも問題ありませんので、寒い場所で管理しましょう。

→植物の冬越しについて
 

水やり

水やり基本は乾いたらたっぷり与えることです。目安は、春秋は1~2日に1回、夏は1日1回、冬は3~4日に1回ですが、乾いていないときは無理に与えない方がいいです。

夏場の水不足は葉焼けの原因となります。美しい実を楽しむためにも夏の水やりには気を配りましょう。また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や健康維持に効果的です。夕方に霧吹きやジョウロで葉水を与えましょう。

→みずやりのタイミング

肥料

芽だし後、葉が固まる5~7月頃と、暑さが和らぐ9~10月頃、週1回を目安に液肥を与えます。
より健やかに育成するために、肥料は効果的です。

※バイオゴールドヴィコント564を基準にしています。その他の肥料を与える場合は説明書などを参考にしてください。

※置き肥の場合は上記の期間に月1回、固形肥料を与えます。

 

病害虫

アブラムシ、カイガラムシ、ハマキムシが付くことがあります。
また梅雨など、高温多湿の時期はうどんこ病に注意します。

→病害虫について

山ブドウの詳しいお手入れ

山ブドウ(山葡萄)に適した用土

基本的には赤玉土を主体に鹿沼土などを混ぜた混合土を使用しますが、どのような土質でもさほど問題ありません。

「石木花の土」が適合します。

植え替え

山葡萄の植え替えの時期は12~2月の休眠期が適期です。葉がついた状態での植え替えは木にダメージを与えることもあります。2~3年おきを目安に行うといいでしょう。

山ブドウ(山葡萄)の受粉

5月~6月頃に花が咲いたら人工授粉させましょう。綿棒など花の雄しべと雌しべ同士を付けると高確率で受粉します。

山ブドウ(山葡萄)の剪定

1~2月、冬の落葉した時期に、前年に伸びた枝を2~3節残して剪定します。基本的にその年に伸びた枝の先に花を咲かせますので、実を楽しみたい場合は春から伸びた枝を剪定しなう方がいいです。樹形が極端に乱れてしまい、どうしても気になる場合は最低限の剪定をします。

山ブドウ(山葡萄)の育成のポイント

○植物に四季を体感させてあげることで末永く健康的に育成できます。特に冬はしっかり休ませてあげましょう。

○剪定・植え替えなどの作業は基本的に冬行いましょう。

○夏は直射日光を避けた、明るい日陰や半日陰で管理します。よしず等で日陰を作るのもいいでしょう。

○小さな鉢で育成する場合、水切れさせないように注意します。特に夏場は、朝に水をやっても夕方乾いてしまう様なら置く場所を工夫し、出来るだけ涼しい所で管理しましょう。どうしても乾いてしまう場合には、腰水で凌ぎます。※日々の育て方をご参照ください。

○暑い時期や乾燥する時は、朝や夕方に葉水をするのも大変効果的です。

○屋内管理の時間が長いと、徐々に元気がなくなってしまいます。できるだけ自然の風に当てて育てるよう心がけましょう。雨の日は外に出して雨に当ててあげたり、夜は夜露に当てたりするとリフレッシュできます。

○活性剤を定期的に与えることで、より健やかに育成できます。

○実を楽しむためには、花を咲かせる必要があります。花を咲かせやすくするには、良く日に当てて、肥料を与えることが最も大切なことです。

→肥料・活性剤

浅く2~3裂し、縁には鋸歯があります。
秋には美しく紅葉します。
夏、黄緑色の小花を円錘花序に綴ります。
花の咲いた後、緑色の実が成ります。
秋に向けて徐々に深い紫色へと染まり、熟すと食用になります。
耐寒性
水やり
日光
肥料