ジャノメマツ|石木花図鑑

一つ松
幾代か経ぬる
吹く風の
音の清きは
年深みかも

市原王 - 万葉集巻六

ジャノメマツ

ジャノメマツは漢字で「蛇の目松」と書きます。白い斑入りの葉が爽やかで美しい、赤松の変種です。

クロマツとよく似ていますが、アカマツのほうが葉がやや細くやわらかい印象なので、クロマツが雄松(おまつ)と呼ばれるのに対しアカマツは雌松(めまつ)と呼ばれています。線の細さを活かした優しい樹形に仕立てるのに向いていて、盆栽の名品の中にも豪勢というよりも品と侘び寂を兼ね備えたものが多くあります。

ジャノメマツの育て方

置き場所

基本は屋外管理が理想的です。日当たりがよく風通しのいい場所を好みます。日によく当てることで元気に成長します。冬は外か、外に近い環境で寒さを体験させましょう。また、日当りの良い場所が理想ではありますが、ある程度の環境適応力がありますので半日陰のような所でも育成することは可能です。

屋外の場合

日当りのいい方が樹勢(健康状態)が良くなりますが、水切れ(乾燥)させてしまうと弱るので、「水切れにならない程度」の日当りを確保しましょう。真夏など、あまりに乾きやすい時は日陰に避難します。また、柔らかな風や、優しい雨は植物を十分にリフレッシュさせてくれます。

「春・秋」

日当たりと風通しのいい環境で育成します。特に春は新芽が芽吹く大切な時期。良い環境で芽吹いた葉は丈夫で健康的になります。しかし冬~春にかけて屋内管理したものは、突然厳寒の屋外に出すと具合が悪くなることがあります(寒害)。そうした場合は徐々に外気に慣らすようにしましょう。

「夏」

夏の強い直射日光は葉が傷んだり、枯れたりする原因となるので明るい日陰やに移動するか、すだれや遮光ネットで直射日光を遮るなど工夫が必要です。

「冬」

屋外越冬で問題ありませんが、乾燥が厳しい地域では寒風や霜から保護できるムロや半屋内(寒い場所)などで管理します。

→植物の冬越しについて

屋内の場合

屋内で管理する場合、可能な限り日当りのいい場所で管理します。また、風通しの確保が重要になります。とはいえ、通年屋内管理では丈夫に育成するのは困難ですので、できるだけベランダやバルコニーなどで日光や雨風に当ててあげましょう。しかしエアコンの風 や室外機の風が直接当たる場所は避けます。

「春・秋」

窓辺など、日当たりと風通しの良い環境で育成しましょう。

「夏」

窓辺に置く場合は乾きやすくなるので、水枯れには注意が必要です。また、閉め切った部屋で高温になると蒸れてしまうことがありますので注意します。

「冬」

しっかり冬を体験させる必要があります。暖房の効いていない場所など寒いところで管理しましょう。

水やり

基本は「乾いたらたっぷり与える」水やりです。多少の乾燥は問題ありませんが、完全に乾燥しきってしまうと葉が白っぽく艶の無い感じになります。もし色がやや薄いかな?という状態なら水切れのサインなので急いで水を与えましょう。特に春~夏は乾きすぎに注意しましょう。水やりの目安は、春秋は1~2日に1回、夏は1日1~2回、冬は3~5日に1回ですが、乾いていないときは無理にあげる必要はありません。

また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や害虫予防に効果的です。朝か夕方に霧吹き等で与えるといいでしょう。過湿はよくありませんので腰水はNGです。

みずやりのタイミング

肥料

肥料は3~7月、9~10月は週1回を目安に液肥を与えます。その他の月は月1~2回を目安に与えるようにしましょう。しっかり施肥することで健康に育ちます。(バイオゴールド ヴィコント564を基準にしています。)

※市販の液肥は種類によって与え方が異なります。ラベルをよく確認して与えましょう。
※固形肥料の場合、コケを外して上記の期間は月1回を目安に与えます。

病害虫

ハダニ・カイガラムシなどが付くことがあります。

→病害虫について

アカマツの仲間

ジャノメマツ、クロマツ、ゴヨウマツ、千寿丸、など多数。

ジャノメマツの詳しいお手入れ

アカマツ(赤松)に適した用土

一般には赤玉に砂を混用したもの使用します。なお、【石木花の土】が適合します。

植え替え

若木は2~3年に1回、春の花後または秋に植え替えます。

樹形を維持する方法

◯「芽摘み」
4月に入ったら葉が伸び始める直前に勢いの強いものだけを半分におります。弱い芽は残します。

◯「芽切り」
7月には弱い芽から順に新芽を元の部分から切り落として前年葉のみにします。強い芽は1~2週間後に芽切り作業をすると、秋ごろには新たに芽吹いた2番芽の大きさが揃います。

◯「芽かき」
芽切りしてしばらくすると、切った位置から数個の芽が出てきます。これらの中から2芽残して他の芽は摘み取ります。芽を残した方向に枝が伸びるのをイメージして残す芽を決めます。

◯「葉すかし」
12月になったら混み合った葉をすかすような感じで古い葉を抜き取ります。

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この作業を行うことによって、葉を短く均等に整えるとともに、枝数を増やしていくことが可能です。

育成のポイント

◯新葉の時期は乾きやすいので要注意。朝に水をやっても夕方乾いてしまう事もありますので、こまめに乾きを確認しておきましょう。

◯植物に四季を体感させてあげることで末永く健康的に育成できます。屋外管理推奨ですが、少なくとも冬は寒いところで管理しましょう。

◯肥料を好みますので、定期的に与えましょう。しっかり与えることで元気に成長します。

◯屋内管理の場合は日照や風通しの条件が悪く、元気がなくなりやすいです。その場合は「活性剤」を定期的に与えることでより健やかに育成可能です。

肥料・活性剤

〇早春、屋内からいきなり屋外に出すと風邪をひくことがあります。詳細は「植物の冬越しについて」をご参照ください。

明るい緑色の針状葉をつけます。葉には白い斑が入ります。
細長く黄色い雄花と、丸みのある赤い雌花がつきます。
松ぼっくりがなります。
耐寒性
水やり
日光
肥料