猫の手シダ

青々と
すきとほるまで
茂りたる
羊歯の荒まむ
こともおもはず

白桃 - 斎藤 茂吉

猫の手シダ

常緑のトキワシノブが石化した変異種で、根茎が細かく分岐した姿が猫の手の様に見えることから「猫の手シダ」と呼ばれています。ふわふわとした独特の根茎は、まさに猫の毛並みのよう。

シダ性の着生植物で、自然界では岩や樹木に着生して生息しています。水を含ませた土の上でも育てることができる丈夫さで、手入れも少ないため比較的簡単に育てることができます。
盆栽として仕立てれば年数を経るごとに根茎の風格が増し、独特の存在感を醸し出します。
猫の手シダの育て方

置き場所

猫の手シダは高温多湿を好む植物。
屋外では直射日光を避け、風通しは乾燥しすぎる場所は避け、適度に湿気のある場所で育てると良いでしょう。
シダ植物で耐陰性があるので、強い光に当てる必要はありません。夏の強い日差しには特に注意しましょう。

屋外の場合

半日陰を好みます。強い西日や夏の直射日光は葉焼けの原因となりますので注意しましょう。

「春・秋」

半日陰や、明るい日陰で育てましょう。

「夏」

風通しのよい明るい半日陰で管理します。強い直射日光や西日は葉焼けや急激な水切れの原因になるので避けます。よしずや遮光ネットなどを用いて日陰をつくるのもオススメです。乾燥を嫌いますのでこまめに霧吹きなどで葉を湿らせてあげると良いです。

「冬」

屋外管理で問題ありませんが、寒風や霜からは保護しましょう。ムロや半屋内(寒い場所)などで管理することをオススメします。氷点下にならないように注意します。

 

屋内の場合

屋内で管理する場合、乾燥防止が重要になります。定期的に霧吹きなどで葉を湿らせてあげましょう。また、たまに外の空気に当てたり、雨に当てたりしてあげると植物はリフレッシュできて元気に育ちます。

エアコンの風が直接当たる場所や、直射日光が長時間当たるなど極度に気温の上がる場所は避けましょう。

「春・秋」

半日陰、明るい日陰が適します。

「夏」

夏の強い直射日光は葉焼けの原因になるので、レースのカーテンなどで遮光してあげると良いでしょう。

「冬」

冬の屋内は乾燥しやすい環境です。定期的に霧吹きで葉を湿らせてあげると元気な状態を維持しやすくなります。

→植物の冬越しについて

 

水やり

水やりの目安は、春秋は1日1回、夏は朝夕の1日2回、冬は2〜3日に1回です。特に夏場の水不足は葉焼けの原因となります。また、暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や健康維持に効果的です。夕方に霧吹きやジョウロで葉水を与えましょう。

※冬場、屋外環境で越冬させる場合は1週間に1度くらいの頻度になりますが、定期的に乾き具合を観察しましょう。

→水やりのタイミング

肥料

基本的にあまり必要はありません。生育が思わしくないときは春~秋に月1回程度を目安に液肥を与えると良いでしょう。

※バイオゴールドヴィコント564を基準にしています。その他の肥料を与える場合は説明書などを参考にしてください。

 

病害虫

あまり害虫は尽きませんが、カイガラムシやハダニ、アブラムシが付く場合があります。0.5~4㎜ほどの小さな害虫ですが、葉を吸汁し、植物を弱らせますので定期的にチェックしましょう。
→病害虫について

 

猫の手シダの別名

石化トキワシノブ

 

木々の小話

特徴と歴史

シノブ科の植物にも種類があり、「和シノブ」と「西洋シノブ」に分けられます。日本等が原産の和シノブは冬に葉が紅葉し落葉しますが、マレーシアが原産の西洋シノブは常緑で、寒い時期でも緑の葉を付けます。そこから、名前に「永久」や「常緑」を意味する「トキワ(常盤)」がついています。

トキワシノブは日本の伝統園芸植物であり、古くから親しまれてきました。そして自然界で偶然に変化した形を昔の人々に気に入られ、石化トキワシノブ(猫の手シダ)として現在まで大切にされてきました。

トキワシノブは江戸時代中ごろ、庭師が普段出入りしている屋敷へ「夏の挨拶の贈りもの」として贈って人気を呼んだとも言われています。当時は山苔をつけた竹にトキワシノブを巻きつけて、風鈴のように軒下に吊るす仕立てが一躍ブームにもなりました。濃い緑が風に揺れる姿はなんとも涼しげで人気があったようです。

猫の手シダの詳しいお手入れ

猫の手シダに適した用土

水はけが良く、保水性もある土が適します。

「石木花の土」が適合します。

猫の手シダの植え替え

植え替えは基本的に必要ありません。ただし、時間が経つにつれ根の絡まりが見られる時は、植え替えをすることも可能です。植え替え適期は1月〜4月。あまり根を痛めないようにほぐして行いましょう。

古葉取り

猫の手シダはほとんど一年中葉をつけていますが、ずっと同じ葉がついている訳ではなく、古い葉が枯れ、新しい葉がつくというサイクルで成長します。枯れた葉をつけていると新しい葉に十分な養分がいかなくなりますので、枯れた葉を取り、すっきりさせてあげましょう。

猫の手シダの育成のポイント

○夏は直射日光を避けた、明るい日陰や半日陰で管理します。よしず等で日陰を作るのもいいでしょう。

○暑い時期や乾燥する時は、朝や夕方に葉水をするのも大変効果的です。

○屋内管理の時間が長いと、徐々に元気がなくなってしまいます。できるだけ自然の風に当てて育てるよう心がけましょう。雨の日は外に出して雨に当ててあげたり、夜は夜露に当てたりするとリフレッシュできます。

○活性剤を定期的に与えることで、より健やかに育成できます。
肥料・活性剤

Leaf
三角形の様に生える涼やかな葉が特徴です。
Flower
花は咲きません。
Seed
実はなりません。
耐寒性 Cold
水やり Water
日光 Sun
肥料 Fertilizer